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Shopifyのお客様アカウント移行で、マイページはどう変わる?機能の追加方法とデータ連携の確認点

Shopifyでは、従来のお客様アカウントの廃止に向けて、新しいお客様アカウントへの移行が求められています。「お客様アカウント」とは、お客様がログインして注文履歴や登録情報を確認するための仕組みです。

ストアで「マイページ」と案内している画面も、この変更に関わります。今回の移行では、ログイン方法に加えて、マイページの作り方も変わります。従来のマイページはストアのテーマの一部でしたが、新しいお客様アカウントはテーマとは別の仕組みで動きます。そのため、テーマに追加してきた独自の表示や機能は、そのまま引き継がれるわけではありません。たとえば、ポイント残高や会員ランクの表示、定期購買の変更ボタンなどを設置している場合は、移行後も使えるようにするための確認や準備が必要です。一方で、新しいお客様アカウントにも、対応アプリなどを使って機能を追加する方法が用意されています。

この記事では、まだ移行の検討を始めていない方にも、自社のマイページにどのような影響があるのかをつかんでいただけるよう、身近な会員機能を例に、変わることと引き継ぐ方法を整理します。まずは、今のストアで使っている機能を思い浮かべながらご覧ください。移行全体の影響範囲は、お客様アカウント移行の全体ガイドでも紹介しています。

※仕様は2026年9月24日に確認したShopify公式情報に基づきます。以下、移行先を「新しいお客様アカウント」と表記します。

※参照:
Shopify公式:お客様アカウントの移行方針
Shopifyヘルプ:移行時のカスタマイズ方法

自社への影響は、今のマイページから確認できる

自社のストアにどのような対応が必要かは、今のマイページで何を提供しているかによって変わります。まずは、画面に表示されている内容と、お客様ができる操作を確認してみてください。たとえば「会員情報」「ポイント」という項目があれば、何を確認・変更できるのか、その情報をどのアプリやシステムが管理しているのかを整理します。以下は、その見方を示した例です。

現在の機能

お客様ができること

確認しておく情報の管理元

会員ランクの表示

自分のランクと特典を確認する

ランクを判定・保存しているアプリや顧客データ

ポイントの表示・交換

残高を確認し、特典に交換する

ポイントを管理するアプリや外部システム

定期購買の管理

次回配送日を確認し、変更する

契約を管理するアプリ

会員証の表示

店頭で会員番号やバーコードを提示する

実店舗の会員基盤や会員証アプリ

LINE連携

マイページからLINEアカウントと連携する

LINE連携アプリと、その会員データ

会員登録時の独自項目・規約同意

生年月日などを入力し、規約に同意して登録する

入力内容の保存先(顧客データ、メタフィールドなど)

同じ「ポイント機能」でも、残高を見せるだけなのか、交換までできる必要があるのかで確認先と作業量が変わります。管理元が分からない項目は、制作会社やアプリ提供元に確認する項目として残しておきます。具体的な移行計画を立てる段階では、移行日から必要な機能か、後から追加できるものかも考えます。継続中の契約を変更する操作と、過去のキャンペーンへのリンクでは、優先度は同じではないはずです。利用状況や問い合わせ内容も確認すると、残す機能を選びやすくなります。

この一覧ができれば、「今と同じ画面にできますか」という相談を、「この操作を移行後も続けるには、何が必要ですか」という具体的な相談に変えられます。

新しいマイページにも、機能を追加する方法がある

新しいお客様アカウントでは、ロゴや色、メニューなどを設定できます。また、新しいお客様アカウントに対応するアプリを使って既存ページに機能を追加したり、新しいページを設けたりできます。

最初に、標準設定で済む部分を確認します。たとえば問い合わせページへのリンクは、アカウントのメニューに追加する方法を検討できます。従来のマイページでは独自のボタンとして作っていたものでも、移行先のメニューで目的を果たせれば、同じボタンを作成する必要はありません。顧客ごとの情報や操作を加える場合は、アプリの拡張機能が候補になります。Customer account UI extensions(お客様アカウント用の拡張機能)は、既存ページの決められた場所に表示を追加する方法に加え、独立したページを追加する方法も提供しています。

代表的な使い分けは、次のように考えられます。表の内容は選定の目安であり、個別アプリでの実現可否を保証するものではありません。

実現したいこと

検討する方法

確認するポイント

ロゴ・色を整え、必要なページへ案内する

標準設定・メニュー

設定できる範囲で目的を満たせるか

プロフィールに会員ランクやポイント残高を添える

既存ページへのブロック追加

希望する場所に配置でき、必要な値を表示できるか

ポイントの履歴や交換先を一覧にする

アプリによる専用ページの追加

一覧表示と交換操作に対応し、入口も用意できるか

外部の会員サービスへ案内する

メニューなどから外部ページへリンク

移動先で必要な本人確認と操作をおこなえるか

専用ページを作る仕組みは「フルページ拡張」と呼ばれます。Shopifyは、ウィッシュリストや定期購買、特典などの用途を案内しています。小さな表示枠だけでは収まりにくい機能も、専用ページにまとめる方法を検討できます。

なお、これらの拡張はアプリを通じて提供されます。EC担当者が管理画面で配置する作業と、開発者が拡張そのものを作る作業は別です。利用中のアプリに必要な機能があれば設定で進められますが、なければ別のアプリや独自開発を検討します。

※参照:
Shopifyヘルプ:お客様アカウントページのカスタマイズ
Shopify開発者ドキュメント:お客様アカウント向けアプリの構築
Shopify開発者ドキュメント:新しいページの追加

今のコードやデザインを、そのまま移すことはできない

従来のマイページを作っていたLiquidのコードを、新しいお客様アカウントに貼り付けて動かすことはできません。Shopifyの移行向けガイドでも、追加コンテンツなどの実現方法として、対応アプリや独自の拡張機能が案内されています。拡張機能は、Shopifyが用意した画面部品とAPIを使い、動作範囲を制限した環境で実行されます。アカウントページ本体のHTMLなどへ直接アクセスすることもできません。そのため、ページ全体を自由に書き換える前提の実装は見直しが必要です。

専用ページを追加できることも、従来のページを丸ごと持ち込めるという意味ではありません。たとえば、会員ランクと特典を分かりやすく並べる方法は検討できても、以前のレイアウトや装飾を細部まで再現できるかは、使える部品やアプリの設定によります。ここでは、変えたくない理由まで整理することをおすすめします。会員証なら「店頭の読み取り機で使えること」、ポイント表示なら「残高と有効期限をすぐ確認できること」が要件かもしれません。その条件を残したうえで配置を変えられれば、移行先での選択肢が増えます。

独自の動画視聴やライセンス管理などが組み込まれている場合も、必要な画面部品と操作が拡張機能で実現できるかを確認します。難しい部分は、外部の専用画面で提供し、アカウントのメニューから案内する方法も候補です。ただし、リンクを置いただけでは、移動先でログインや利用資格の確認まで自動的に完了するとは限りません。その部分も含めて設計します。

見落としやすいのが、会員登録の画面です。新しいお客様アカウントの登録画面には、独自の入力項目や必須のチェックボックスを追加できません。私たちが支援している移行では、追加の項目はログイン直後に表示するフォームで集め、顧客メタフィールドに保存する設計を提案しています。規約への同意も、最新版に同意していないお客様にだけログイン後に確認画面を出し、同意した版を記録する方法を検討しています。ただし、フォームで入力を必須にできるかなどは、使うアプリや実装によって変わるため、事前の検証が欠かせません。

※参照:
Shopifyヘルプ:移行時のカスタマイズ方法
Shopify開発者ドキュメント:UI拡張の制約

表示する場所と、データを取得する仕組みを分けて確認する

画面の実現方法を決めたのち、そこに表示するデータについて、移行先からの取得可否の確認が必要です。たとえば、ポイント残高を表示するブロックがあっても、自社が使っているポイント管理システムと連携できなければ、そのお客様の残高は表示できません。さらに交換機能を付ける場合は、残高を読むだけでなく、交換を受け付けて管理元の残高へ反映する処理も必要になります。

Shopifyの公式ドキュメントには、Customer Account APIから顧客情報を取得する方法や、拡張機能から自社のサーバーへ通信する方法が用意されています。ただし、これらは連携を実装するための仕組みです。アプリや外部システムの情報が自動的に集約されるわけではありません。

アプリ提供元や開発担当者には、次の内容をセットで確認してください。

  • 表示したい値は、どのアプリ・システムに保存されているか

  • ログインしたお客様と、管理元の会員データをどう対応付けるか

  • 表示だけでなく、変更や交換などの操作にも対応できるか

  • データ取得に失敗した場合、何を表示し、どこへ問い合わせてもらうか

たとえば「取得に失敗した残高」を「0ポイント」と表示すると、お客様はポイントが失われたと受け取るかもしれません。正常時の見た目に加えて、情報を取得できないときの案内も決めておくと、問い合わせ対応まで含めた設計になります。

※参照:
Shopify開発者ドキュメント:データへのアクセスと外部通信

アプリや開発の相談には、画面と操作の条件を添える

自社のマイページへの影響が見えてきたら、制作会社やアプリ提供元に相談してみてください。ここまでの内容をもとに整理した機能一覧と、現行画面の画像があると、必要な対応を確認しやすくなります。たとえば、次のように伝えられます。

ログインしたお客様が、プロフィールから会員ランクとポイント残高を確認し、特典交換ページへ進めるようにしたいです。ポイントは現在の管理システムを継続利用します。対応できる表示場所と操作、追加のデータ連携開発が必要かを確認したいです。

「新しいお客様アカウントに対応済み」という回答だけでは、自社の要件を満たすかまでは分かりません。対応しているページ、表示できる項目、実行できる操作を確認し、必要な設定と開発の範囲を分けて見積もってもらいます。利用条件も確認します。お客様アカウントのカスタマイズにはBasic以上で使えるアプリもありますが、アプリや機能によって条件が異なります。Shopifyのプランだけでなく、アプリ側の契約プランも確認してください。

実際の支援でも、LINE連携やポイントなどマイページで使うアプリについて、対応状況を1つずつ確認しています。対応していても、新しい画面にボタンやブロックを置き直す作業は残ります。既存の連携がそのまま引き継がれるかは、公開前のテストで確かめる予定です。

テーマ内のリンクも確認します。従来のログインや登録のURL(/account/login など)は、テーマに直接書かれたリンクも含めて、新しいお客様アカウントへ自動で転送されます。一方で、モーダルや別ページに独自のログイン・登録の仕組みを作っている場合は、テーマの修正が必要になることがあります。登録への導線をどこに置くか、ログイン後にどのページへ戻すかもストアごとに決め、旧URLを直接使っているアプリがないかも確かめておきましょう。

方式を決める前に、必要な機能を少数のテスト用顧客で確認できると判断しやすくなります。会員ランクが異なる顧客、ポイントがない顧客などを用意し、情報の表示から操作完了まで試します。ログイン時に届く認証コードのメールは、本文を編集できません。ポイントアプリの提供元のヘルプでも、携帯キャリアのメールアドレスには認証メールが届かない可能性があると案内されています。テストの際に受信できるかを確かめ、届かない場合の案内も用意しておきます。独自開発を選ぶ場合は、移行後に誰が文言やリンクを変更し、不具合に対応するかも決めておきます。今のマイページから引き継ぐものが整理できれば、移行に必要な作業と、後から改善できる部分を分けられます。まずは、お客様が必要とする操作と、その情報の管理元を書き出すところから始めてみてください。

※参照:
Shopifyヘルプ:アプリによるカスタマイズの利用条件
Shopifyヘルプ:新しいお客様アカウントへのアップグレード
Stack社ヘルプ:Shopifyの新しい顧客アカウントの対応について


テーマ更新も予定している場合は、テーマ更新とお客様アカウント移行の順序を整理した記事も参考にしてください。現行マイページの棚卸しや実現方法の検討については、お客様アカウント移行のご相談を承っています。

執筆者紹介

舟久保 竜

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。

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