Shopify「お客様アカウント」移行に向けて、準備・確認・アクションを整理します

従来のお客様アカウントの廃止日は、2026年8月時点でまだ発表されていません。
しかし、Shopify DotDev 2026で示された数値によると、北米ではすでに9割以上のストアが新しいお客様アカウントへの移行を完了しています。日本ではまだ多くのストアが従来方式のお客様アカウントのまま運用を続けていますが、この移行は廃止日が決まってから、管理画面の設定を切り替えれば完了するものではありません。
ログインの仕組み全体が変わることにより、認証、表示、データ、計測という4つの領域に同時に影響が及びます。当社にも移行の検討をはじめたマーチャントからの相談が増えつつありますが、ご相談いただく内容は、マイページの表示に関することから、会員登録やログインの方法について、会員共通基盤との顧客データやポイントの連携、広告計測の方法など多岐にわたります。
この記事では、新しいお客様アカウントの移行によって影響が及ぶ領域に対して、次の3つを整理します。
何が起きるのか
自分のストアには、何が影響するのか
課題ごとに、どうすればいいのか
ご担当されているストアにどのような影響があり、どのように対応すれば良いのか、そんな視点でご覧いただき、参考にしていただけるとうれしいです。

■■■ 目次 ■■■
- Part 1:何が起きるのか
- 廃止は決定、廃止日は26年中に発表予定
- 単純な切り替えにならない理由
- 影響が、認証・表示・データ・計測などに及ぶ
- 領域同士が関係しており、決める順番がある
- 要件定義・実装など、時間がかかる
- 廃止日の決定の前にはじまっている変更
- Part 2:自分のストアには、何が影響するのか
- 代替が必要なもの
- 作り直しが必要なもの
- 任意で見直せるもの
- Part 3:課題ごとのアクション
- 代替が必要なもの
- ① Multipassを使っている
- ② マイページをLiquidでカスタマイズしている
- ③ マイページにアプリが提供するデータを表示している
- ④ ヘッドレス構成でログインを自前実装している
- 作り直しが必要なもの
- ⑤ マイページ上でアプリが提供する画面や操作を表示している
- ⑥ マイページで独自業務を動かしている
- ⑦ テーマの更新・入れ替えを予定している
- 任意で見直せるもの
- まとめ
- 参考リンク
Part 1:何が起きるのか
廃止は決定、廃止日は26年中に発表予定
2026年2月26日、Shopifyは従来のお客様アカウント(Legacy customer accounts)の非推奨化を正式にアナウンスしました(公式changelog)。現在の状況は次のとおりです。
新規ストア、および従来アカウントを使っていない既存ストアでは、すでに提供が終了しています
従来アカウントに対する機能アップデートとテクニカルサポートは提供されません
最終的な廃止日(サンセット日)は2026年中に発表予定とされ、2026年8月時点では未発表です
廃止日については、Shopify開発者コミュニティのLegacy customer accounts: Availability updateに次の記載があります。
A sunset date for legacy customer accounts will be announced later in 2026.
(従来のお客様アカウントのサンセット日は、2026年中に追って発表されます)
日付は未定ですが、必ず廃止日がやってくることは分かっています。影響範囲と移行に要する時間を理解して、ぜひ早めに備えていただきたいと思います。
(新しいお客様アカウントのマイページは、注文履歴・注文ステータスとプロフィールの基本的なページに、UI拡張機能とアプリ等を活用して表示する情報を追加します:構造図参照 Building apps for customer accounts)


単純な切り替えにならない理由
影響が、認証・表示・データ・計測などに及ぶ
移行によって変わるのは、マイページの見た目だけではありません。
領域 | 変わること |
|---|---|
認証 | Multipassが使えなくなり、シングルサインオン(SSO)を別の認証方式で作り直すことになります |
表示 | Liquid(テーマを組み立てるための言語)でのマイページ改修ができなくなり、専用の拡張機能を使った実装に変わります |
データ | アプリが扱うデータの読み出し条件が変わりました。アプリ側で保持しているメタフィールドは、定義がないとマイページ側から読み出せません |
計測 | 新しいお客様アカウントはテーマの外側で動くため、計測タグの入れ方が変わります |
ここで押さえておきたいのが、マイページの置かれる場所が変わることです。
従来のマイページは、ストアのテーマの一部でした。テーマのファイルを編集すれば、マイページの見た目も中身も変えられました。新しいお客様アカウントは、テーマの外側で動く別の画面になります。テーマを編集しても、マイページには反映されません。テーマの中で完結していた従来の作り方をそのまま持ち込めないのは、この置き場所の違いによるものです。
領域同士が関係しており、決める順番がある
上記で説明した4つの領域は独立していません。一方が決まらないと、もう一方も決められない関係にあります。
たとえばシングルサインオンの方式を、外部IDプロバイダ(Shopifyの外で本人確認をおこなう仕組み)で作り直すか、会員基盤をShopify側に寄せるかによって、会員データをどこに持つかが変わります。会員データの持ち方が決まらなければ、マイページに表示できる内容も決まりません。表示する内容が決まらなければ、必要なアプリも選べません。順番を前後させると、いったん決めた内容を見直すことになります。
要件定義・実装など、時間がかかる
当社が移行支援の見積もりで目安としている期間は、平均4〜6ヶ月です。内訳は次のとおりです。
フェーズ | 期間 |
|---|---|
要件定義 | 1〜2ヶ月 |
実装・テスト | 約3ヶ月 |
リリース・移行 | 約1ヶ月 |
SSOの再構築や独自業務の実装が加わる場合は、これより長くなります。期間の見積もりはストアの規模やカスタマイズの度合いによって変わるため、自社の状況に当てはめる際は、現行マイページの実装量を基準に増減させてください。
廃止日の決定の前にはじまっている変更
発表を待つという判断で見落とされやすいのが、この点です。廃止日が未定であることと、従来アカウントを使い続けるコストが変わらないことは、別の話になります。
2026年に入ってから、次の変更が実際に発生しています。
アプリ側で保持するメタフィールドに定義が必須になりました(2026年6月16日)
マイページに表示されるデータは、Customer Account API という、マイページ専用のデータ受け渡しの仕組みを通して読み出されています。アプリが自分の領域に保持しているメタフィールド(アプリ側のデータ)は、定義と、その定義に対する読み取り許可の設定がないと、このAPIから値を返さなくなりました(公式changelog)。一方、顧客レコードや注文レコードに保存されているメタフィールドは、この変更の対象外です。
テーマストアの提出要件が変わりました(2026年7月30日)
Shopifyテーマストアに提出するテーマは、ヘッダーに shopify-account コンポーネント(新しいお客様アカウントへのログイン入口となる部品)を含めることが必須になりました(公式changelog)。新規テーマだけでなく、既存テーマの更新も対象です。
従来アカウント用のLiquidテンプレートは、削除の方針が示されています
前述のコミュニティ投稿には、customers/account.liquid などのテンプレートについて、いずれ編集がロックされ、その後削除されるとの記載があります。時期は未定ですが、編集ロックが先に来る順序は示されています。
Storefront APIで、お客様情報を書き換える操作にも廃止の予告があります
同じ投稿に The Storefront API customer mutations will be deprecated, with more details coming soon. と記載されています。時期と対象範囲は未発表です。
新機能は、新しいお客様アカウント側に追加されています
2026年前半に追加されたのは、サインインページのエディタ対応、デザインの刷新、サインインページでのマーケティング同意取得、セルフサービスでの注文キャンセル受付など、いずれも新アカウント側の機能です。移行を保留している期間は、これらを利用できない期間にもなります。
Part 2:自分のストアには、何が影響するのか
移行のコストは、ストアによって大きく変わります。ここでは影響を3つに分けて示します。当てはまるものを確認してください。Part 3では、①〜⑪の番号ごとにアクションを示します。
代替が必要なもの
移行すると動かなくなる項目です。同じ機能を続けるには、別の方法での実装が必要になります。
# | 当てはまりますか | 何が起きるか |
|---|---|---|
① | Multipassで自社サイトとShopifyのログインを連携している | SSOが動作しません。設計からの再構築になります |
② | マイページをLiquidでカスタマイズしている( | 同じ見た目は再現できません |
③ | マイページに、アプリが提供するデータ(会員ランク、ポイント、契約情報など)を表示している | 移行後、アプリ側が対応していないと表示されなくなります(すでに移行済み・ヘッドレス構成の場合は、現時点で影響が出ている可能性があります) |
④ | ヘッドレス構成(Shopifyのテーマを使わず、自社で用意した画面でストアを表示する構成)で、ログインを自前実装している | Storefront APIのミューテーション廃止の影響を受けます |
このいずれかに該当する場合、移行は設計を伴う作業になります。要件定義、実装、テストの期間を見込んだ計画が必要です。
作り直しが必要なもの
同じことは実現できますが、作り方が変わる項目です。
# | 当てはまりますか | 何が起きるか |
|---|---|---|
⑤ | マイページ上で、アプリが提供する画面や操作を表示している(ポイント交換、定期購買の変更・スキップ、ウィッシュリスト、返品申請など) | アプリ側の対応状況によって可否が決まります |
⑥ | マイページで独自業務(動画視聴、ライセンス管理など)を動かしている | 実装方式の再設計が必要です |
⑦ | テーマの更新・入れ替えを予定している | 更新後のテーマには、新しいお客様アカウント前提のログイン導線が組み込まれます |
任意で見直せるもの
移行しなくても動作に影響はありません。移行と同じタイミングで扱うと効率がよい領域です。
# | 当てはまりますか | 位置づけ |
|---|---|---|
⑧ | 退会対応を手作業でおこなっている | Shopify標準に退会機能はありません |
⑨ | 規約改定時の再同意・同意履歴を仕組み化できていない | 移行と同時に整理できます |
⑩ | サイトやサービスごとにIDが分断されている | ID統合の機会になります |
⑪ | ITP(ブラウザがCookieの保存期間を制限する仕組み)の影響で、広告の計測精度が落ちている | 計測基盤を見直す機会になります |
特に見落としていないか気をつけて確認いただきたいのが、「③ マイページ内でアプリが提供するデータを表示していないか」と「⑥ マイページに組み込んでいる独自の仕様がないか」です。③はアプリが自動的に作成したメタフィールドを使っているため、担当者が存在自体を把握していないことがあります。⑥の独自業務は、マイページの機能ではなく別システムとして認識されている場合が多く、影響範囲の確認から抜けやすい項目です。
なお、すでに新しいお客様アカウントへ移行済みの場合、または自社で用意した画面でマイページを表示している場合は、これらの表示が消えていないかを念のため確認してみてください。
Part 3:課題ごとのアクション
該当する項目だけをお読みください。「代替が必要なもの」から着手する順序になります。なかでも①は、決まらないと他の項目が決められません。
代替が必要なもの
① Multipassを使っている
何が起きるか
Multipassは、新しいお客様アカウントでは利用できません。Shopifyの開発者ドキュメントに、Multipassによるログインは従来のお客様アカウントでのみ利用できると明記されています(Multipass | shopify.dev)。
Multipassは、自社サイト側で作った認証情報をShopifyに渡してログインさせる仕組みでした。代替としてShopifyが推奨しているのは、OpenID Connect(OIDC)準拠の外部IDプロバイダをストアに接続する方式です。Shopifyが認証の窓口に直接問い合わせる形に変わるため、シングルサインオンは設計から作り直すことになります。お客様が見るログイン画面がIDプロバイダ側に移る点と、既存顧客をIDプロバイダ側の識別子と突き合わせる必要がある点が、影響の大きい変更です。
やること
連携元のサイトと、Multipassで渡している情報を洗い出す
外部IDプロバイダ(自社システムやGoogleなど、Shopifyの外で本人確認をおこなう仕組み)で作り直すか、会員基盤をShopify側に寄せるかを決める
プランを確認する(外部IDプロバイダとの接続には Shopify Plus 以上が必要です)
いつ
最初に決める項目です。認証方式が定まらないと、会員データの持ち方も、マイページに表示できる内容も決められません。表示まわりは後から調整できますが、認証は代替を用意しないと機能しないため、優先度が高くなります。
② マイページをLiquidでカスタマイズしている
何が起きるか
Liquidによるマイページのカスタマイズはできなくなります。新しいお客様アカウントはテーマの外側で動くため、テーマのファイルを編集しても反映されません。
代わりに使うのが Customer account UI extensions(お客様アカウント用の拡張機能)です。用意された枠にブロックを追加していく方式のため、レイアウトを自由に組むことはできません。同じ見た目をそのまま再現することはできない前提で検討することになります。
やること
現在のマイページで表示している内容を、すべて書き出す
各項目を「再現する / 作り変える / 捨てる」に仕分ける
再現するものについて、拡張機能で実装できるかを確認する
この段階で捨てるものを決めておくと、後工程が軽くなります。すべてを再現する前提で進めると、期間と費用が膨らみやすい部分です。移行は、現行の機能を棚卸しできる機会でもあります。
実際の移行では、マイページ内に独自に作られていたナビゲーションや、装飾的な会員ランクの表示について、再現しなくても大きな問題にならないことや、アクセスログを確認すると、ほとんど利用されていない画面が見つかることもあります。仕分けの前に利用実態を確認しておくと、判断がしやすくなります。
いつ:①の次に着手する項目です。
③ マイページにアプリが提供するデータを表示している
何が起きるか
マイページに表示されるデータは、Customer Account API という、ログイン中のお客様が自分のデータにアクセスするためのAPIを通して読み出されています。2026年6月16日から、アプリが自分の領域に保持しているメタフィールド(アプリ側のデータ)は、定義と、その定義に対する読み取り許可の設定がないと、このAPIから値を返さなくなりました。
対象は、アプリが自分の領域に保持しているデータです。顧客レコードや注文レコードに保存されているメタフィールド(管理画面から登録した会員ランクや契約情報など)は、この変更の影響を受けません。
この変更が効くのは、Customer Account API を使う場面に限られます。従来のお客様アカウントのマイページは、テーマのLiquidテンプレートで描画されており、メタフィールドもLiquid経由で読み出しているため、この変更の影響を受けません。
つまり、影響が出るのは移行したあとです。すでに移行済みのストア、または自社で用意した画面でマイページを表示しているストアでは、会員ランクやポイントが表示されなくなっている可能性があります。
やること
マイページに表示しているアプリのデータを書き出す
各アプリの提供元に、この変更への対応が済んでいるかを確認する
すでに移行済み、または自社で用意した画面を使っている場合は、実際に表示が消えていないかを確認する
定義の作成はアプリ側の作業です。マーチャント側で直接対処できる項目ではないため、確認と依頼が主な対応になります。
いつ
棚卸しは移行の計画を待たずに進められます。実際の影響が出るのは移行後のため、②の仕分けとあわせてアプリの対応状況を確認しておくと、移行時に手戻りが起きません。
④ ヘッドレス構成でログインを自前実装している
何が起きるか
Shopifyは、従来アカウントの非推奨化にあわせて、Storefront API のうちお客様情報を作成・更新する操作(ミューテーションと呼ばれます)を廃止する方針を示しています。ログイン画面や会員情報の更新画面を自前で実装している場合、影響を受けます。ただし、廃止の時期と対象範囲は未発表です。
やること
使用している Storefront API の操作(ログイン、会員登録、会員情報の更新など)を棚卸しする
Customer Account API での置き換えが可能かを確認する
時期が未発表のため、現時点では棚卸しまでで足ります。テーマ標準の会員機能のみを使っている場合、この項目は該当しません。
いつ:①②と並行して進められます。
作り直しが必要なもの
⑤ マイページ上でアプリが提供する画面や操作を表示している
何が起きるか
ここで対象になるのは、アプリがマイページ上に出している画面や操作です。たとえば次のようなものが該当します。
ポイント残高の確認と交換の画面(ロイヤリティアプリ)
次回配送日の変更、スキップ、解約の画面(定期購買アプリ)
ウィッシュリストの一覧
返品・交換の申請フォーム
これらはテーマに埋め込む前提で作られているため、そのままでは表示できません。マイページがテーマの外側に移るため、アプリ側も Customer account UI extensions(お客様アカウント用の拡張機能)に対応した実装へ置き換える必要があります。
③との違いは、消えるものの種類です。③はアプリが持つデータ(ポイント残高の数値など)が読み出せなくなる話で、⑤はアプリが提供する画面や操作そのものが表示されなくなる話です。同じアプリで両方に該当することもあります。
やること
マイページで動作しているアプリと、それぞれが提供している画面・操作を列挙する
各アプリの提供元に、お客様アカウント用の拡張機能への対応状況を確認する
未対応のものについて、代替アプリを探すか、独自実装するかを決める
いつ
②の仕分けと同時に進めると効率的です。表示する内容が決まらないと、必要なアプリも決まりません。
詳しくは:アプリ対応状況まとめ(2026年3月版)
⑥ マイページで独自業務を動かしている
何が起きるか
従来のマイページ上に表示していた、動画視聴、ライセンス管理、会員限定コンテンツの出し分けといった独自業務は、Liquidで作られたままでは動作しません。実装方式の再設計が必要になります。
やること
業務要件を整理する(何を、誰に、どういう条件で提供しているか)
拡張機能の枠内で実装するか、外部システムに出して連携するかを決める
この拡張機能は、安全のために動作範囲が制限された環境(サンドボックス)で動くため、実装できることに制約があります。現行の要件をそのまま持ち込めるとは限らない前提での検討が必要です。
いつ:②の仕分けと同時に。
⑦ テーマの更新・入れ替えを予定している
何が起きるか
2026年7月30日から、テーマストアに提出するテーマには shopify-account コンポーネント(新しいお客様アカウントへのログイン入口となる部品)を、ヘッダーにPC・モバイル両方で表示する実装が必須になりました。既存テーマの更新版も対象です。要件の対象はテーマの提出者ですが、テーマストアのテーマを使っているストアは、更新するとヘッダーのログイン導線がこれに置き換わります。また、従来アカウント用のLiquidテンプレートは、編集ロックを経て削除される方針が示されています。
やること
テーマの更新・入れ替え予定の時期を確認する
予定があれば、アカウント移行と同じプロジェクトとして検討する
テーマ改修とアカウント移行は本来別の作業ですが、テーマを更新するのであれば、いずれ新アカウント前提の対応が必要になります。分けて2回おこなうより、まとめたほうが総量を抑えられる場合があります。
いつ
移行計画の初期に判断する項目です。後から合流させるのは難しくなります。
任意で見直せるもの
ここから先は、移行しなくても動作に影響はありません。移行プロジェクトのスコープに入れるかどうかの判断になります。
マイページと認証まわりに手を入れる機会は多くありません。別々に着手すると、同じ箇所を2回開けることになります。
# | 判断すること | 同時に扱う利点 |
|---|---|---|
⑧ 退会 | 退会対応を仕組み化するか | Shopify標準に退会機能はありません。マイページを作り直すタイミングであれば、退会導線も同時に設計できます |
⑨ 再同意 | 規約改定時の同意取得・履歴記録を仕組み化するか | 新しいお客様アカウントでは、サインインページやアカウント画面で同意を取得できるようになりました |
⑩ ID統合 | 会員基盤を統合するか | ①のSSO方式の決定と論点が重なります。①に該当する場合は、あわせて検討すると効率的です |
⑪ 計測 | 計測基盤を見直すか | 認証まわりに手を入れるタイミングと重なります |
このうち「⑩ ID統合」は、「① 自社IDを活用したSSO」と切り離して検討すると見直しが生じやすい箇所です。SSOの方式を先に決めたあとにID統合の要件が出てくると、認証の設計から検討し直すことになります。将来的に複数サービスのIDを統合する構想がある場合は、SSOの検討時点でその前提を含めておくと、Shopifyの顧客情報の活用が広がります。
まとめ
従来のお客様アカウントの廃止日は未発表です。2026年中に発表される予定と告知されています
一方で、メタフィールドの定義必須化やテーマストアの要件変更は、廃止日とは別にすでに発生しています
移行は認証・表示・データ・計測の4領域に関わります。領域同士が関係するため、決める順番があります
まず①〜⑪で自分のストアの影響範囲を確認してください。「代替が必要なもの」に該当する項目があれば、設計を伴うプロジェクトとして計画することになります
①Multipassの利用有無と、③マイページで動いているアプリの棚卸しは、移行の計画を待たずに進められます
着手時期の考え方については、別記事で逆算スケジュールを整理しています。移行によって使えるようになる機能についても、別途まとめています。
現行実装の棚卸しからのご相談も承っています。
参考リンク
Legacy customer accounts are now deprecated | Shopify開発者changelog(2026年2月26日)
Legacy customer accounts: Availability update | Shopify開発者コミュニティ
Upgrading to customer accounts from legacy customer accounts | Shopifyヘルプセンター
Metafields now require a definition to be accessed through the Customer Account API(2026年6月16日)
The shopify-account component for customer accounts is now a Theme Store requirement(2026年7月30日)
執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。