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ShopifyのCDP/CXP活用──「トライアル/リピート分析」からはじめる顧客理解

ShopifyのCDP/CXPとしての活用具体例を、顧客+商品分析の基本である「トライアル/リピート分析」からはじめます。貴店を支えてくれるリピーターを生み出す商品を把握するとともに、商品ごとに顧客体験の提供方法を決めるための第一歩となります。この分析は、特に食品・飲料のような消費財カテゴリで有用なレポートとなります。本記事では、Shopifyで取得できる購買データを使って「商品ごとのリピーター率分析」を行い、そこから導かれるマーケティング施策の考え方を紹介します。

参考記事:ShopifyをCXP/CDPとして活用するには?顧客体験をつなぎなおすための実践的アプローチ

リピート率分析のフレームワーク

リピート率をもとに、各商品を以下の3つに分類します。
リピート率は、特定期間における購入者の中で2回以上の購入者(リピーター)の構成比を指します。例えば、半年間で100人の購入者がいて、そのうちの30人が2回以上の購入者であった場合、リピート率は30%となります。

  • リピート率40%以上:トライアル利用を推進するサンプリングやギフティングを強化すべき「リピート牽引商品」

  • リピート率20〜40%:より深い商品理解を促すために購入者のクチコミやレビューを提供し企業以外からの視点で訴求する「育成対象商品」

  • リピート率20%未満:商品改良や訴求の見直しが必要な「再考対象商品」

このフレームを使うことで、商品単位での施策優先度を整理できます。上記に示したリピート率のレンジは、商品特性や販売期間などを考慮して調整しても問題ありません。貴店の商品の中でリピーターに支えられている商品を把握することが最初のきっかけです。まずはその事実から学べることがたくさんあると思います。

分析サンプル

今回は、コーヒー&スイーツショップを想定し、50アイテムでリピーター率を算出しました。カテゴリーごとの代表例を抜粋します。

商品カテゴリ

商品名

購入者数

リピート数

リピート率

解釈

コーヒー豆

グアテマラSHB

56

34

61%

リピート牽引商品。サンプリング強化対象

ドリップバッグ

お試しセット

50

10

20%

トライアル中心、次回に繋がりにくい

焼き菓子

マドレーヌ

30

8

27%

クチコミ強化でリピート促進を検討

チョコレート

季節限定ボンボン

25

5

20%

ギフト用途、単発購入が中心

分析結果をもとにしたマーケティング施策・顧客体験訴求例

A.リピート牽引商品(40%以上)

例:コーヒー豆

  • リピート率が高いため、トライアーが固定顧客となる可能性が高い

  • サンプリングや初回限定セット・クーポンを用意し、新規顧客にまず試してもらう

B.育成対象商品(20〜40%)

例:焼き菓子

  • 商品ベネフィットの理解がある人はリピートするが、伝わっていない人が一定割合存在する

  • 商品の良さを理解してもらうために、ショップからの商品説明だけでなく、購入者のクチコミやレビューで商品ベネフィットを伝える仕組みを作る

C.再考対象商品(20%未満)

例:チョコレートのギフト商品

  • 商品体験が次の購入やショップの評価につながりづらい可能性がある

  • 商品ソフトのチェックが必要であり、調査などによって商品の訴求方法や商品そのものの見直しを検討する

Shopifyでトライアル/リピート分析を行う方法

Shopify標準レポートでは「新規顧客数」と「リピーター数」の把握は可能ですが、初回購入商品ごとにリピートにつながったかという分析まではできません。そこで活用すべきなのが、ShopifyのAIアシスタントであるSidekickです。Sidekickとのチャットで、以下のようなプロンプトを伝えることで、意図するアウトプットを提示してくれます。

Sidekickとのチャット画面イメージ

Sidekickへの指示例

過去6か月の注文データから、商品ごとに集計してください。
各商品について、
1. 初回購入者数
2. そのうち2回目以降購入した人数(リピーター数)
3. リピーター率(リピーター数 ÷ 初回購入者数)
を表形式で出してください。

深掘りする場合の追加プロンプト

初回購入で各商品を買った顧客が、その後2回目にどのカテゴリの商品を購入しているかも集計してください。

出力イメージ

商品名

初回購入者数

リピーター数

リピーター率

2回目購入カテゴリTop

ブラジルブレンド

30

18

60%

コーヒー豆

エチオピアモカ

25

14

56%

コーヒー豆

コロンビアスプレモ

40

22

55%

コーヒー豆

お試しドリップバッグ

50

10

20%

コーヒー豆

モーニングブレンド

35

9

26%

コーヒー豆

マドレーヌ

30

8

27%

焼き菓子

フィナンシェ

28

7

25%

焼き菓子

ダークチョコ

22

5

23%

チョコレート

季節限定ボンボン

25

5

20%

チョコレート

シングルオリジンチョコ

20

3

15%

チョコレート

このようにSidekickを使えば、トライアル商品からのリピーター獲得力を商品別に定量化でき、マーケティング施策の優先度付けが容易になります。また集計した結果をもとに、例えば「リピート率40%以上の商品にタグ『A.リピート牽引商品』を付与して」や「メタフィード『●●』に『A.リピート牽引商品』を記載して」などといった、集計結果を商品データに記録しておくことも、Sidekickへの指示で簡単に行うことができます。

Shopifyでは、こうした分析をダッシュボードやSidekickで実行できるだけでなく、IDソリューションによる外部の顧客接点とのID統合やポイント施策と組み合わせることで、顧客体験全体を把握し、また『トライアルからリピートへ』とスムーズにつなぐ仕組みを構築できます。リピート率の高い商品を見極め、その商品を起点にCXを設計する。 それが、CXPとしてのShopify活用を一歩進めるための実践的アプローチです。

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執筆者紹介

舟久保 竜

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。

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