レコノミーをキーワードに、新たな顧客との出会いと、永くつながり続けるための取り組みを行う企業の事例を紹介

「レコノミー」という言葉と姿勢がゆっくりと社会に浸透しはじめています。循環型の経済を表象するこの言葉と姿勢が広がっていくことによって、これまでモノによってつながっていた企業と生活者との関係にも変化の圧力が働きます。本記事では、レコノミーの言葉が表す意味と市場の変化を整理しつつ、そうした変化に対応するために取り組みをはじめている企業の事例を紹介します。
レコノミーの考え方と背景、従来の経済モデルとの違い
レコノミーの考え方と背景
リサイクル、リユース、リデュース、リペア、リスキリング、レトロなども。昨今、トレンドとなっている経済行為を英語にすると、その頭には「Re」がつきます。これらの経済行為を総称する造語が「レコノミー」です。「Re」がつく事からもわかるように、いずれも循環型の経済に関わる言葉になっています。資源を無駄にせず、持続可能な形で経済活動を行うこと、モノの一方通行的な使い方から脱却し、資源を循環させる経済モデルがレコノミーです。レコノミーの浸透は私たちの身近でも感じることができます。例えば、リユース市場の規模は2022年に約2.9兆円となり、集計が開始された2009年から13年連続で拡大を続けており、2030年には4兆円規模の市場に拡大すると予測されています(「リユース経済新聞」より)。

従来の経済モデルとの違い
従来の経済モデルは「作る・使う・捨てる」という直線的なプロセスが一般的でした。しかし、従来のモデルでは大量の資源を消費し、大量の廃棄物を生み出してしまいます。一方、レコノミーは「作る・使う・再利用する」という循環型のプロセスを経済モデルに組み入れることが特長です。具体的には、製品の設計段階からリサイクルを前提とし、使用後の製品を再利用できるようにすることや、製品の販売後に顧客に対してサービスを付加することで、リペアする機会や永く使い続けるためのシステムを組み入れる取り組みがはじまっています。こうしたレコノミーの浸透には、企業単体だけでなく、業界や社会全体の協力、なによりもモノを作る企業とモノを消費する生活者からの共感が必要となります。レコノミーは企業と生活者の新しいつながり方と、新たな共感を生むきっかけにもなっていきます。
生活者の共感を生むレコノミーの導入事例
レコノミーを実現し、生活者と新しいつながり方や共感を生むための取り組みをはじめる企業が増えています。ここでは、具体的な事例を紹介し、それぞれの企業がどのようにして循環型経済モデルを導入しているのかを探ります。
レコノミーを推進することで新たな顧客と出会うきっかけを作る企業の事例
次のロイヤルカスタマーを育てる「パタゴニアのWorn Wear」

(パタゴニア「Worn Wear」より)
アウトドアブランドのパタゴニアは、環境保護活動を企業理念の中心に据えています。同社は、製品の寿命を延ばすために「Worn Wear」というプログラムを展開しています。これは、生活者が不要になったパタゴニア製品を返送し、修理や再利用を促進する取り組みです。買い取った中古商品は同社がリペアして、新品よりも安価に販売します。こうして販売されるWorn Wearは、価格が高いためブランドを購入することがなかった若年層のトライアルのきっかけとなり、買ってみたら質の良さを実感し、いずれは正規品を買ってみようと思うようになる、次のロイヤルカスタマーを生むきっかけになっています。加えて、地球に優しい選択をした気もして、気分も良くなる。そんな好循環も生んでいます。
「イケア」は年間43万点の家具に新しい人生を与える

(IKEA「サーキュラーマーケット」より)
家具販売大手のイケアもレコノミーを推進するグローバル企業です。持続可能な生活を推進するために、製品のデザインから廃棄までの全ライフサイクルを考慮した取り組みを行っています。「サーキュラーマーケット」と名付けられた中古家具の買取と再販売プログラムでは2023年度に買取った中古家具の43万点を再活用しました(イケアのサステナビリティレポート FY23より)。こうした潜在的廃棄物が第二の人生を与えられると同じように、第二の人生をオーナーとなった生活者は、イケアの家具の新たな顧客となる循環を生んでいます。
生活者に一生使ってもらうためのレコノミーなサービスを提供する企業の事例
一生ジャストサイズで着られるサービスを提供する「レッドスレッド」

(RedThreadより)
米国のアパレルブランド「レッドスレッド」は洋服のサイズを撤廃しました。アプリを使い写真2枚を送るだけでサイズを計算し、全てオーダーメイドでサイズを調整しジャストフィットの洋服を届ける多様性に富むブランドです。加えて、体型の変化に合わせて一生無料で洋服をリメイクしてくれるレコノミーなサービスを展開しています。例えば、妊娠・出産などライフステージの変化があった場合も、購入してからも体型の変化に悩まされることなく、常にジャストサイズな服を着ることができます。廃棄される洋服が多く、地球環境への負荷が課題となっているアパレル業界で、レコノミーな視点を用いて課題解決とともに、生活者と一生付き合うブランドとして持続可能な事業を展開しています。
ずっと無料でメンテナンスしてくれる「ふとんタナカのじぶんまくら」

(ふとんタナカ「じぶんまくら」より)
日本にも永く顧客とつきあうためのレコノミーなサービスを展開する企業があります。寝具ブランドの「ふとんタナカ」が提供する「じぶんまくら」は、個々の生活者の体型や睡眠スタイルに合わせてカスタマイズされるオーダーメイド枕で、快適な睡眠環境を提供することを目的としています。そして、じぶんまくらの大きな特徴はずっと無料メンテナンスのサービスを提供していることです。睡眠環境や体調に合わせて、何度も、時間をかけて、自分に合った枕に少しずつ調整していくことができます。こうして長期間にわたって快適に使用できる商品を提供することで、消耗品の購入頻度を減らし、資源の無駄遣いを防ぎ、レコノミーな消費を促進しています。加えて、メンテナンスの機会に生活者と何度も密接なコミュニケーションを交わすことで、個別のニーズに応え、声を直接聞き取り、商品の改善や新たなサービスの着想を得る取り組みも循環経済の一部となっています。
レコノミーなサービスと、顧客と一生付き合うための基盤となる「IDソリューション」を提供しています
App Unityでは、店舗、ECサイト、コミュニティサイトなど、さまざまなチャネルのログインID・顧客情報・ポイントを独自開発することなく低価格で連携するための「IDソリューション」を提供しています。顧客と永く親密な関係を続けていくため、またレコノミーな商品・サービス作りのための製品トレーサビリティや購買履歴の管理のため、ファーストパーティデータの整理・統合・活用が必須となってきます。こうした顧客IDやデータ活用の支援をしておりますので、検討の際にはぜひご相談ください。
■資料請求・お問合せ:https://service.appunity.jp/contact
お客様との永い関係構築に向けた施策案と事例を確認する「S-DL診断」をお試しください
貴社の業種、提供商品・サービス、課題、理想とする姿を入力いただくと、現状やニーズに即したサービス・ドミナント・ロジックの構築に向けた施策内容の提案や、施策に即した実際の事例を紹介する「S-DL診断アプリ」を試験公開しています。ご登録が必要となりますが、無料で実施できますので、ぜひお試しください。
S-DL診断のアウトプットイメージ

■S-DL診断のお申し込み:https://service.appunity.jp/lensoftrends/check-sdl-form
【無料】S-DL診断アプリをお試しください

貴社の業種、提供商品・サービス、課題、理想とする姿を入力いただくと、社会の変化に配慮したサービス・ドミナント・ロジックの構築に向けた施策内容の提案や、施策に即した実際の事例を紹介する「S-DL診断アプリ」を試験公開しています。ご登録が必要となりますが、無料で実施できますので、ぜひお試しください。
category:
関連セミナー
関連記事
執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。























