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Shopifyカスタムピクセルの注意点:技術的制限と対策

はじめに

Shopify Checkout Extensibility移行に向けて、多くのEC事業者が広告計測タグの移行を進めています。「追加スクリプト」から「カスタムピクセル」への移行を進める中、予期せぬ技術的制限に直面するケースが増えています。本記事では、カスタムピクセルの技術的な仕組みと制限事項を詳しく解説し、特に問題となりやすいケースと対策について、実装経験に基づいてお伝えします。

1. Shopifyカスタムピクセルの基本仕様

サンドボックス環境の特性

カスタムピクセルは、セキュリティを重視した「Lax Sandbox」環境で動作します。これはallow-scripts(iframe内でJavaScriptの実行を許可)とallow-forms(iframe内でフォームの送信を許可)属性を持ったiframeとして実装されており、以下の特徴があります

サンドボックス構成図

1-1. URL構造の変更

サンドボックス内のURL は ドメイン後の先頭に 「/wpm@<ピクセルID>/sandbox/modern/」 が付与されます。その後に親ページのURLが続きます。

通常のURL:
https://example.com/thank_you

サンドボックス内:
https://example.com/wpm@xxx/sandbox/modern/thank_you

この特殊なURL構造は、一部のトラッキングスクリプトで問題を引き起こす可能性があります。

1-2. アクセス可能なAPIの制限

  • ✅ 基本的なJavaScript API

  • ⚠️  LocalStorage(独立した空間で動作/親フレームと共有不可)

  • ⚠️  Cookie操作(iframe内で独立して動作/親フレームと共有不可)

  • ⚠️ DOM操作(iframe 内の DOM は操作可/親フレームは不可)

  • ❌ 親ウィンドウへの直接アクセス

1-3. ネットワーク通信の特性

外部サーバーへの通信は可能ですが、CORS PolicyやCSPの影響を受けやすくなっています。特に、サンドボックス環境は「特殊なオリジン」として扱われるため、多くのAPIサーバーがこのオリジンからのアクセスを想定していません。

※補足:特殊なオリジンとは

通常、ウェブページは「https://example.com」のような明確なオリジン(身元)を持ちますが、サンドボックス環境では「身元不明」として扱われます。

これにより、一部のAPIやサービスが正常に動作しない場合があります。

2. カスタムピクセル実装時の注意点

2-1. Cookie設定の落とし穴

問題となるケース:

javascriptコード

// ドメイン指定付きCookie設定
document.cookie = "tracking_id=123; domain=.example.com";

サンドボックス環境では、ドメイン階層を跨いだCookie設定が期待通りに動作しない場合があります。これは、多くのサードパーティトラッキングツールで使用される手法です。

影響を受ける可能性があるツール:

  • 複数サブドメインでトラッキングを行うツール

  • クロスドメイントラッキングを前提としたツール

  • 独自のCookie管理ロジックを持つツール

2-2. LocalStorageの分離

カスタムピクセル内のLocalStorageは、メインサイトとは完全に分離されています。

javascriptコード

// カスタムピクセル内
localStorage.setItem('user_id', '123'); // サンドボックス内のみ有効

// メインサイト
localStorage.getItem('user_id'); // null(アクセス不可)

2-3. スクリプトの実行タイミング

カスタムピクセルは非同期で読み込まれるため、実行タイミングの制御が重要です:

javascriptコード

// 推奨:Shopifyイベントを活用
analytics.subscribe('checkout_completed', (event) => {
// 確実にイベント発生後に実行される
});

// 非推奨:タイミングに依存した処理
setTimeout(() => {
// タイミングが保証されない
}, 1000);

3.特に影響を受けやすい広告・計測ツール

影響が大きい広告・ツール

  • Yahoo!広告:複雑なCookie管理ロジック、または外部通信制限により動作しない

  • Adobe Analytics:windowへの新規作成が動作しない

  • 独自開発の計測タグ:DOM依存の処理は動作しない

現状の広告・計測ツールのCV計測可否一覧

媒体

ステータス

補足

Yahoo! 広告

❌ 従来の方法では不可

カスタムピクセルでは不可。オフラインCV API利用が必要。

Google 広告

✅ 公式対応

Shopify公式「Google & YouTube」アプリで対応。

Meta広告

✅ 公式対応

Shopify公式「Facebook & Instagram by Meta」

TikTok 広告

✅ 公式対応

Shopify公式「TikTok」アプリで対応。

LINE 広告

△ 従来方法で可能

公式アプリなし。タグ埋め込みやCAPIで計測可能。

X(旧Twitter)広告

✅ 公式対応       

Shopify公式「X」アプリで対応。     

GA4

✅ 公式対応

Shopify公式「Google & YouTube」アプリ経由で対応。

Microsoft(Bing)広告

△ 従来方法で可能

公式アプリなし。UETタグ設置で対応。

Snapchat 広告

✅ 公式対応

Shopify公式「Snapchat Ads」アプリで対応。

Pinterest 広告

✅ 公式対応

Shopify公式「Pinterest」アプリで対応。

Criteo

✅ 公式対応

Shopify公式「Criteo Sales Growth Ads」アプリで対応。

Adobe Analytics

❌ 従来の方法では不可

タグの読み込みが一部機能しない。APIの利用が必要。

現状Yahoo!広告のCVは従来の計測方法では取得が難しですが、

弊社アプリの「App Unity Tracking」ではYahoo!広告(検索・ディスプレイ)のCV計測に対応しております。詳細はこちらからご確認ください。

4.GTMを使用した場合の制限事項

カスタムピクセル上でGTM(Googleタグマネージャー)自体は機能しますが、カスタムピクセルの制限の影響を回避することはできません。

GTMでできること

  • ✅ GTM自体の読み込みと基本動作

  • ✅ dataLayerへのイベントプッシュ

  • ✅ 単純なピクセル発火

GTMでも解決しないこと

  • ❌ サンドボックス環境の制限回避

  • ❌ Cookie設定の制限解除

  • ❌ DOM操作が必要なタグの動作

(注意)カスタムピクセル上に設置したGTMではプレビューモードが機能しませんので、こちらの記事を参考に発火確認を行ってください。

5.まとめ:カスタムピクセル時代の計測戦略

Shopifyカスタムピクセルは、セキュリティと利便性のバランスを重視した優れた仕組みですが、従来の計測手法との互換性には課題があります。

重要なポイント

  1. 技術的制限を正しく理解する

  2. 影響を受けるツールを事前に把握する

  3. 適切な代替手段を早期に導入する

Shopify Plusのユーザー様は2025年8月28日(Plus以外のユーザー様は2026年8月26日)にサンキューページで利用してきた、追加スクリプトとScriptTagが利用停止となるため、今から準備を始めることが重要です。特に、Yahoo広告やその他のサードパーティツールを利用している場合は、早めの対策をお勧めします。

また、Shopifyの計測周りでの課題が増加することを想定し、現在弊社では「Shopify Checkout Extensibility 関する無料相談を実施」しております。お困りの際は是非ご活用ください。必要に応じて弊社では、カスタムアプリの開発も行っておりますので、こちらも併せてご確認いただけますと幸いです。

🔹無料相談を申し込む:無料相談問い合わせフォーム

🔹 カスタムアプリの相談をする: リワイア問い合わせフォーム 

App Unity Tracking 広告・GA4計測連携

App Unity Trackingは、Shopifyストア運営におけるデータ計測の複雑さを解消するためのアプリです。ShopifyストアのGA4・広告データを簡単収集。GTMを活用した計測が約10〜20分で設定可能。GA4や各種広告のデータ収集をサポートし、 商品閲覧・カート追加・購入といった重要なユーザー行動データを正確に捉え、広告最適化に活用できるようにします。

執筆者紹介

佐藤 達哉

EC構築・マーケティング企業での4年間と、大手ブログのアフィリエイトサービスでの2年間の実務経験を経たのち、現在は株式会社フィードフォースでDX事業におけるSSOやCDP領域を担当しています。

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