Shopifyを「CDP」のように活用する──メタフィールドとAPIで実現する顧客体験基盤(CXP)のつくり方

サードパーティCookieに対する規制が強まる中、ファーストパーティデータを活用した顧客体験設計は、EC事業者にとって欠かせないテーマになっています。特に、EC・店舗・コミュニティなど複数チャネルに分散したデータを顧客単位で統合できるかどうかが、顧客体験の向上やAIによる顧客分析・パーソナライズ施策の成否を左右します。
参考記事:ShopifyをCXP/CDPとして活用するには?顧客体験をつなぎなおすための実践的アプローチ
Shopifyは、メタフィールドやメタオブジェクト、Admin APIを活用することで、顧客プロファイルを統合・拡張し、CDP(Customer Data Platform)的な役割を果たすことが可能です。本記事では、ShopifyをCDPのように活用するためのデータ拡張の考え方と実践方法を紹介します。
「CDPのように活用」するために、なぜDB拡張が必要なのか
顧客体験を最適化するためには、Shopifyに記録された顧客の購買履歴を追うだけでは不十分です。たとえば、
顧客のセグメントごとに異なる接客シナリオを出し分けたい
会員ランクに応じて表示内容やレコメンドを調整したい
コミュニティ参加やアンケート回答履歴など、EC外の情報も踏まえて施策を打ちたい
これらを実現するには、Shopifyに標準で備わっている「注文情報」「顧客情報」だけでは対応できず、DBを柔軟に拡張するデータ構造・蓄積が必要です。顧客単位で統合されたプロファイルと、柔軟に設計できるデータ構造が必要です。Shopifyではこのニーズに対して、「メタフィールド」と「メタオブジェクト」「Admin API」が用意されていて、これらを活用することで、よりCDP的なデータ基盤へ進化させられます。
メタフィールドで顧客プロファイルを拡張する
メタフィールドは、顧客・商品・注文など各オブジェクトに独自属性を付与できる「拡張カラム」です。これにより、マーケティングやCRMに必要なプロファイル情報を柔軟に管理できます。
代表的な活用事例:
顧客:会員ランク、エンゲージメントスコア、ロイヤリティ指標
商品:ブランド独自タグ、原材料属性、推奨ターゲット層
注文:ギフト指定、特別対応フラグ
Shopify Flowと組み合わせれば、特定条件を満たした顧客へのタグ付与や、パーソナライズされたフォローアップメールの自動化も可能です。

※顧客メタフィールドでは、会員ランクやロイヤリティ指標など、顧客プロファイルを補う属性を自由に追加できます。
メタオブジェクトとAdmin APIで作る「オリジナルDB」
メタフィールドが「拡張カラム」だとすれば、メタオブジェクトは「拡張テーブル」のような存在です。メタフィールドでは扱いきれない複雑なデータ構造(多対多や階層構造)を格納することができます。さらに、Admin APIを使えば、これらのフィールドやオブジェクトを外部システムと接続・同期することも可能になります。
代表的な活用事例:
社内のCRMやMAツールと連携して、属性情報など外部データを自動付与
コミュニティ投稿履歴やイベント等の参加ログをShopifyの顧客情報と統合
店舗POSシステムの購買履歴をShopifyの顧客情報に統合して一元管理
こうした連携によって、「顧客一人ひとりの行動や背景を踏まえた接客」が実現可能になります。

※メタオブジェクトでは、顧客にひもづくイベント履歴やレビューなど、階層構造のデータも扱えます。
CDPのようにShopifyを活用するための具体例
具体例 | 活用イメージ |
|---|---|
会員ランク別の接客出し分け | ゴールド会員にはVIPセール情報、一般会員には初回購入特典を表示 |
行動データに基づくパーソナライズ | 「オーガニック商品」を複数回購入した顧客に、同カテゴリ商品のレコメンド |
コミュニティ貢献に基づく施策 | 購入額+コミュニティ投稿数からスコアを算出し、優良顧客向けキャンペーンを配信 |
外部データ連携による自動タグ付与 | イベント参加者に自動タグを付与し、LINEやメール配信を自動化 |
ShopifyをCDP的に活用する第一歩として
ShopifyをCDPのように活用する鍵は、顧客理解に必要なデータを「設計」し、「拡張」することにあります。メタフィールドやメタオブジェクト、Admin APIを駆使することで、Shopifyは単なるECプラットフォームから、ファーストパーティデータを活かす顧客体験基盤(CXP)へと進化します。
また、App Unityが提供する Shopify カスタムアプリ「IDソリューション」を活用することで、店舗・EC・コミュニティ・アプリといった複数チャネルのデータをShopifyに集約することがより容易になり、さらに精度の高いプロファイル設計やマーケティング施策が可能です。カンロ株式会社の事例 では、ECサイトとコミュニティのIDを統合することで、ファン育成とLTV向上を同時に実現していますので、参考にされてください。
Shopifyを「CDP的」に活用する最初のステップは、様々な顧客接点で取得している「顧客データをどのようにつなぐ」ことが顧客体験の向上に寄与するのかの視点を持つことです。App Unityでは、具体的な導入方法や活用事例をまとめた資料をご用意しています。ぜひお気軽にご相談ください。
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App Unity IDソリューションとは
店舗・ECサイト・コミュニティ・アプリのID/ファーストパーティデータを低コストで統合・連携。多極化する顧客接点を横断して、ログインID・ポイントの共通化や統合した顧客情報を元にマーケティングに関わる企画・施策実行ができるようになります。
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執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。






