人口ブラックホール地域で「家族向け」住まいの義務化がはじまる ── トレンドの原動力を切り取る Lens of Trends 解説記事

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東京都の出生率0.99、はじめて1.0を下回り過去最低を記録
2024年6月5日に2023年の人口動態統計が発表されました(参考:厚生労働省)。日本の出生率は1.20、過去最低となりました。都道府県別の出生率を見ると、最も出生率が低いのが東京都です。東京都の出生率は0.99、1.0を下回る過去最低の結果です。東京都の人口に関わる事情は少し複雑です。出生率は全国最低ですが、人口は増えています。つまり人口流入が多く、他都道府県から人口を吸収している形となっています。人口が増えているので不動産のニーズは高く、住宅価格は上がり続けています。この住宅コストの高さも、東京都の低い出生率の要因の一つと考えられています。
人口戦略会議、「ブラックホール型自治体」を分類
東京都の状況を受け、人口戦略会議は今年4月に「地域の持続可能性レポート」で新たな分類軸を定義しました。若い女性の減少で「消滅可能性」がある市町村は東京圏以外だと46%に上りました。東京23区など大都市では低出生率が国内の人口減少改善の足かせとなっており、地方と都市の双方が課題を抱えています。このレポートでは、出生率が低く他地域からの人口流入に依存する25自治体を「ブラックホール型自治体」と分類しました。東京都新宿区や中野区、大阪市、京都市などがそれにあたります。国内の人口減少を改善するには、人口を吸い寄せる大都市での出生率向上が求められています。
豊島区「家族向け住戸」の設置を求める、東京18区で条例が制定される
ブラックホール型自治体に分類される東京区部では「家族向け住戸」の設置を求める条例の制定が進んでいます。すでに23区中18区で条例が制定されています。これまで規制のなかった豊島区では2024年10月より「としまファミリー住戸」と呼ぶ制度が新設されました。総戸数が30戸以上かつ3階以上の共同住宅には、床面積が50平方メートル以上の住戸の設置を求められます。制度の新設の決め手となったのは、豊島区の住民に対するアンケートです。住民の86%が区内に住み続けたいと答えたが、「ファミリー物件が少ない」との声が多く寄せられました。子育てをしながら暮らし続ける住環境の整備は待ったなしの課題となっています。直接的な少子化対策以外でも、このようにファミリー・ファーストの対策やサービスが求められるケースが今後さらに増えると予想されます。
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執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。
























