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出生率の低下が止まらない ── トレンドの原動力を切り取る Lens of Trends 解説記事

本記事はOSINTとPEST分析を通して気づきを得たトレンドについて発表するマーケティングセミナー「Lens of Trends」で取り上げたトピックの解説記事です。セミナーでは毎月9つのトピックを取り上げています。セミナーのアーカイブ動画や、詳細データを掲載している講演資料の請求も承っています。本ページ下部のリンクよりご請求ください。

2023年、出生率1.20となり過去最低を記録

2024年6月5日に2023年の人口動態統計が発表されました(参考:厚生労働省)。日本の出生率は1.20、過去最低となりました。出生数と婚姻数も戦後最低を更新しています。インフレによる経済負担や働き方改革の変化の遅れから、結婚・出産をためらう若年層が増えています。出生数は約72万人であるのに対し、死亡数は約157万人となり、死亡する人の半分にも満たない子どもしか誕生していないということになります。このようなペースで人口減少が進んでいることに改めて驚きます。

少子化対策30年。予算累計66兆円超を注いでも止まらない少子化。

2024年は1994年に策定された日本初めての少子化対策「エンゼルプラン」から30年となる年です。これまでさかのぼれる範囲で算出した少子化対策の予算は「66兆円」を超えるそうです(参考:日経新聞)。同じ期間の公共事業関係費のおよそ半分に匹敵する額です。公共事業のような経済成長のための予算を削って、少子化対策に30年取り組んできましたが、少子化が止まりません。世界の先進国でも少子化は進んでいますが、その中で改善傾向にあるドイツを見てみると、ヒントが見えてきます。ドイツは少子化対策のための給付から、働き方の改革へのシフトチェンジを進めることで、30年間で子どもと両親が一緒に過ごす時間は1.5~2倍近くまで増えました。移民の受け入れも進めており、2022年の出生率は1.46と長期的には上向いています。

AIが導き出した「多様性・イノベーション社会」への道筋

2024年の年始に公開されたNHKスペシャルの「2024私たちの選択 -AI×専門家による"6つの未来"-」という特集は、AIと専門家による6つの未来とそのプロセスを分析する内容でした。AIによる分析と専門家による考察で、日本の6つの未来とその4つの分岐点が示されていました。6つの未来の中で、一番良いだろうと考えられる「多様性・イノベーション社会」に向けての分岐点を見ていくと、婚姻率・出生率が関わる分岐点が、2つ目の2029年に示されています。ここで出生率を上げないと、多様性の担保やイノベーションが成されない社会がやってきます。そして、出生率を上げるための分岐点の前に、1つ目の分岐点として示されるのが「働き方・賃金」に関する分岐点です。この分岐点でAIと専門家はテレワークや男性の育休を増やすこと、労働時間を減らし、運動習慣を増やすこと。その上で賃金を上げることを求めています。出生率を上げるための最初の一歩は働き方改革にあるという予測が、ドイツの政策と重なる点が興味深いです。

※本トピックは「Lens of Trends:24年7月号」で取り上げました。資料やデータの詳細をご覧になりたい方は、以下よりご請求ください。

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執筆者紹介

舟久保 竜

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。

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