日本の空き家問題は外国人からの熱視線に活路を見出すようになる ── トレンドの原動力を切り取る Lens of Trends 解説記事

本記事はOSINTとPEST分析を通して気づきを得たトレンドについて発表するマーケティングセミナー「Lens of Trends」で取り上げたトピックの解説記事です。セミナーでは毎月9つのトピックを取り上げています。セミナーのアーカイブ動画や、詳細データを掲載している講演資料の請求も承っています。本ページ下部のリンクよりご請求ください。
空き家率が過去最高の13.8%に、放置空き家は20年間で1.8倍 ─ 総務省調査
総務省が4月30日に発表した2023年10月時点の住宅・土地統計調査によると、国内の住宅総数に占める空き家の割合は過去最高の13.8%となりました(参考:令和5年住宅・土地統計調査)。18年の前回調査から0.2ポイント上昇しています。空き家の数も5年間で50万戸増加し、899万戸と過去最多になりました。空き家のうち賃貸・売却用や別荘などを除いた長期にわたって不在で使用目的がない「放置空き家」の割合は0.3ポイント上昇の5.9%となり、36万戸増の385万戸になりました。放置空き家は20年間で1.8倍に増えました。少子化・高齢化・人口減少が続く日本において、空き家への対応は大きな課題のひとつとなっています。
空き家の不動産コンサルタントサービスへの外国人の問い合わせが増えている
こうした日本の空き家問題を機会と捉えて事業に取り組む「AKIYA&INAKA」という会社があります(参考:AKIYA&INAKA)。自治体が運営する「空き家バンク」のような簡素な情報ではなく、場所を決めるところから手厚いサポートを行うコンサルティングに力を入れることで差別化を図っています。2020年にサービスを開始した頃は、日本在住者やオーストラリア人、シンガポール人からの問い合わせがほとんどでしたが、現在はアメリカに拠点を置いている人たちからの問い合わせが増えているとのこと。日本の田舎の不動産の大部分が過小評価されており、ほぼすぐに利用可能な物件が存在している事実に外国人が気づき始めたからだと説明されています。
社長は米国人。家は住み継いで価値を守る米国文化と、古い日本文化を好む
同社の代表取締役社長のアレン・パーカー氏は2007年に米国テネシー州から来日。空き家に魅せられた田舎オタクだったため、この事業を設立しました(参考:AKIYA&INAKAについて)。
米国の家を資産として考え、住み継いで価値を守る考え方
日本の古い伝統・文化を好み大切にする考え方
この米国の家に対する考え方と、米国人の日本文化への考え方の両方の視点を持つことで、空き家の価値を見つけ、伝えていくことができるのではないでしょうか。同社の顧客も「古い空き家ほど日本の伝統や文化を感じられる」と田舎の空き家の購入とリノベーションを決めるそうです。
日本人も『住まいの資産価値』や『古い家の伝統・文化の価値』の視点を持つことで、空き家問題への活路が見出せるかもしれません。日本の空き家に新たな価値を与える可能性がある、米国人からの熱い視線を紹介しました。
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執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。
























