増え続けるモノ・コトのレス・イズ・モアが試される ── トレンドの原動力を切り取る Lens of Trends 解説記事

本記事はOSINTとPEST分析を通して気づきを得たトレンドについて発表するマーケティングセミナー「Lens of Trends」で取り上げたトピックの解説記事です。セミナーでは毎月9つのトピックを取り上げています。セミナーのアーカイブ動画や、詳細データを掲載している講演資料の請求も承っています。本ページ下部のリンクよりご請求ください。
花王、1〜3月期4年ぶり増益。ヘアケア事業で商品群を半分にし効率化進行
日本や世界の先進国で増え続けてきたモノ・コトに対するレスの圧力が高まっています。花王が2024年5月に発表した連結決算を引用しながら確認します。2024年12月期の第1四半期の決算では、4年ぶりの最終増益となりました。好決算には工場の譲渡や化粧品ブランドの削減が良い影響を与えていることが背景にあります。さらに、今後2024年第2四半期以降の注力テーマとしてポートフォリオマネジメントの強化の継続、看板事業のヘアケア商品の商品群の数を11から6に絞り込む取り組みが進められます。
これまで商品群が増えてきた背景には、セグメントを細かく切り、ターゲットを広げる戦略をとり続けてきたことがあります。例えば、ヘアケア商品群の中心にいる「メリット」は2000年代前半は「家族向け」のブランドとして展開をしてきましたが、その後は高齢者や若い女性などに向けたラインエクステンションを行ってきました。その結果、ブランドイメージが分散し、顧客を撮り逃したと指摘されています。今後は、レス・イズ・モアの視点で、選択肢を減らし、それでも幸せに感じる体験の提供が求められています。
ゲーム企業は、タイトルを絞る企業が利益を確保
増え続けるゲームタイトルにも、レス・イズ・モアが試されています。24年3月期はゲームソフト大手6社のうち4社がゲーム事業で減益となりました。スクウェア・エニックス・ホールディングスの営業利益は27%減。超大型タイトルとインディゲームに人気が集中する中、その中間に位置するタイトルを多く開発してしまったことが要因と分析されています。中期経営計画では、「量より質」として投資先を集中させると計画されています(参考記事:会社四季報オンライン)。
一方で、増益を確保した6社のうちの2社、カプコンとコナミグループは開発タイトルを広げず、自社が持つ既存の強力なIPのタイトルに絞ることで利益を確保しました。2020年代前半の巣ごもり需要を受けた開発体制の拡大が裏目に出るゲーム企業に対して、タイトルを増やさず、選択肢を絞った企業が業績を伸ばします。。選択肢を減らすことは勇気がいることですが、増え続けるモノ・コトに「レス・イズ・モア」を問い続けられるのかが試させているのでないでしょうか。
※本トピックは「Lens of Trends:24年6月号」で取り上げました。資料やデータの詳細をご覧になりたい方は、以下よりご請求ください。
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執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。
























