理想の「すっぴん」を求める人が増える ── トレンドの原動力を切り取る Lens of Trends 解説記事

本記事はOSINTとPEST分析を通して気づきを得たトレンドについて発表するマーケティングセミナー「Lens of Trends」で取り上げたトピックの解説記事です。セミナーでは毎月9つのトピックを取り上げています。セミナーのアーカイブ動画や、詳細データを掲載している講演資料の請求も承っています。本ページ下部のリンクよりご請求ください。
減らしても、なくしても、素敵に思える、幸せを感じる体験を求める「レス・イズ・モア」というコンセプトが時代のキーワードとして取り上げられることが増えてきました。環境や格差への配慮が必要となり、レスへの圧力が高まった時代が背景にあるキーワードです。そんな「レス・イズ・モア」を反映するトレンドを2つ取り上げます。
マツキヨココカラ、すっぴんの現実と理想の間を埋める「ととのえメイク」を訴求
マツキヨココカラのプライベートブランド化粧品「nake(ネイク)」は、すっぴん風メークではなく、その前の「理想のすっぴん状態」に着目して作られました。化粧は通常、洗顔からスキンケア、メイクという流れで行われますが、同社は「スキンケア以上、メイク未満」と銘打ち、すっぴんの現実と理想の間を埋める「ととのえメイク」という新たな中間領域を設けました。
背景にはコロナ禍の変化があります。在宅勤務が急速に広がり、ナチュラル感覚のメーク志向が高まりました。厚く化粧を施す「盛る」系に対し、何もしない「すっぴん」系の存在感がぐっと増しています。シミやにきび跡をカバーしたり、眉毛を整えたり、唇の血色感を出したりする、理想のすっぴんのまま外出したい消費者の需要をつかんでいます。
ファッション界では「クワイエット・ラグジュアリー(静かなぜいたく)」が求められる
「ととのえメイク」の訴求を興味深く見ていると、世界のファッションの潮流との重なりを感じます。今、世界のミレニアル世代を中心に注目が集まっている「クワイエット・ラグジュアリー(静かなぜいたく)」というファッションです。自然な色合いや素材を重視し「いい物をさりげなく持つ」という思想にあわせたアパレルのトレンドです(参考:SPUR.jp「今改めて知りたい! 「クワイエット・ラグジュアリー」って何だろう?座談会」)。シンガポールのDBS銀行の分析では、エルメスやモンクレールなどがこうした特徴を持つブランドの筆頭だといわれています。タイムレスでシンプル、ベーシックなカラーパレットが軸になるコンセプトは、時代のキーワード「レス・イズ・モア(無くしても、減らしても幸せを感じる体験)」にも接近しています。
華美ではなくシンプルであること。減らした方が、なくした方が格好良く素敵であること。そんな社会の空気をこの2つのトレンドが反映していのではないでしょうか。
※本トピックは「Lens of Trends:24年5月号」で取り上げました。資料やデータの詳細をご覧になりたい方は、以下よりご請求ください。
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執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。
























