IDソリューション

Shopify「従来のお客様アカウント vs 新しいお客様アカウント」の比較と移行検討時に押さえておきたい情報と残る課題

新しいお客様アカウントのメリットを整理します

ログインの利便性・セキュリティ向上を標準装備

新しい「お客様アカウント」は、メールに届く6桁のワンタイムコードでサインインするパスワードレス方式です。パスワードを持たせないため、流出・使い回し・ロックアウト対応といった運用負担を抑えられます。さらに、「Shopでログイン」とも連携し、既存のShopユーザーは素早くログインできます。

B2B対応が必須化し、会社単位の認証に対応

B2B販売では会社ロケーションに紐づくメールアドレスへワンタイムコードを送って認証します。パスワード不要で、なりすましやアカウント共有の抑止と、権限境界の明確化に寄与します。

セルフサービス返品でCS負荷を低減

管理画面で機能を有効化し、ストアに「お客様アカウント」への導線を置くと、お客様自身が返品リクエストを送信できます。承認・却下、交換、返送手順・ラベルの案内まで管理画面内で完結します。

再購入ボタンでリピート導線を標準化します

「再購入ボタン」が用意され、過去購入からワンクリックでカート投入できます。キャンペーン頼みのリピートに頼らず、マイページ側の自然な導線で再購入を促せます。

ソーシャルログイン(Google / Facebook)を追加できます

Google / Facebookのサインインを管理画面から接続できるようになりました。開発者アカウントの設定は必要ですが、追加アプリなしで複数のソーシャルサインインを併用できます。

新方式で改善された点を要所ごとに押さえます

B2B販売とログイン体験が「お客様アカウント」の利用が前提に

B2BはShopify Plusが前提で、お客様アカウントを有効化したうえでの運用になります。B2Bユーザーは会社ロケーションに紐づくメールアドレスを入力し、メールで送られる6桁のログインコードでサインインします。従来のお客様アカウントはB2Bでは利用不可であることが明記されています。これにより権限境界の明確化と、パスワード運用の削減が図れます。

返品運用は「セルフサービス返品」で受付〜処理までを標準化

お客様はログイン後、オンラインで返品リクエストを送信でき、店舗側は管理画面で承認/却下し、交換品の追加、返送手順の案内、返送ラベルの送付まで処理できます。なおセルフサービス返品は従来のお客様アカウントでは動作しません。また、交換は顧客側からは申請できず、店舗側が承認時に交換品を追加する仕様です。

ソーシャルログイン(Google/Facebook)が管理画面から接続可能に

新しいお客様アカウントのパスワードレスに加え、GoogleとFacebookのソーシャルサインインを追加のアプリを必要とせずに有効化できます。複数のソーシャルサインインを併用でき、同期される顧客データはメールアドレスのみと明記されています。2025年8月にこの機能が正式アナウンスされています。

 Customer account UI extensions で安全にマイページを拡張できます

新方式はテーマ改変ではなく Customer account UI extensions での拡張が前提です。注文一覧/注文ステータス/プロフィールなどの定義済みターゲットに、ブロックやフルページの拡張を追加できます。拡張はサンドボックス実行で、任意のHTMLやCSSの上書きは不可、Polaris Web Componentsを用いたUIに限定されるなど、セキュリティリスクを抑える設計になっています。B2B向けの一部ターゲットはShopify Plus限定です。 

日本のECで必要とされる視点から、残る課題を明確化します

マイページのデザイン自由度が相対的に低い

従来のアカウントではLiquidを利用してマイページのデザインを行っていましたが、お客様アカウントでは、標準機能にて色、フォント、画像(ロゴなど)の変更を行いつつ、その他のデザインはアプリを特定のブロックに追加する仕様になっています。

※なお、Shopify Plusプランの場合はBranding APIを利用して、チェックアウトやお客様アカウント画面の色・フォント・ボタン・ロゴなどのデザインを統一可能です。

そのため、基本的には標準機能+アプリを利用してマイページのデザインをカスタマイズすることが可能ですが、ページ追加やレイアウトの変更を必要とするような場合は、対応が難しい場合が発生します。

テーマとマイページのブランド一貫性にギャップが生じやすい

お客様アカウントはテーマとは別の領域で提供されるため、ヘッダー/フッターやナビゲーションの「共通の見た目・配置」を完全には揃えられません。インターフェースの違いを感じ取られてしまうため、制限のある中でもマイページの構成・デザインをストアのテーマに近づけて体験のばらつきを抑える必要があります。

お客様アカウントに対応したアプリが必要なこと

新方式のマイページは Customer account UI extensions のアプリを前提に拡張します。テーマ埋め込みのみのアプリは、そのままでは表示できません。そのため、現在利用中のアプリがお客様アカウントに対応したアプリか、確認してください。

会員登録フォーム/利用規約同意の標準機能がないこと

新方式はメール+6桁コードで即ログインする設計で、従来型の「登録フォーム→同意取得→発行」という流れを標準では持ちません。代わりにマイページのプロフィールから会員情報を取得できます。また、取得する項目をカスタマイズする場合はアプリを利用することで実装頂けます。属性取得や規約同意をアカウント作成時に必ず回収が必須な場合は、マイページのプロフィールでの取得では担保しにくい側面があります。 

App Unity Account Hubで解決できること

これらの残る課題に対して、App Unity Account Hub が補完的な解決策を提供します。

リッチなマイページTOPを提供

ログイン直後にポイント・ランク・会員証・注文履歴・プロフィールなど「日本のECでよく使う要素」を統合表示する設計で、標準マイページでは足りない情報の表示を補います。 

会員登録フォーム & 利用規約同意を標準実装します

初回ログイン導線にフォーム/利用規約同意取得を組み込み、日本のECで一般的な「登録時の属性・同意の回収」を安全に実現します。 

国内アプリとの連携済みです

LINE・ポイント管理など、国内主要アプリとAPI連携し、マイページ内にアプリの情報を表示します。 

テーマとのブランド統一感を損ねにくい構成です

ストア全体のデザインコンセプトを踏まえた画面構成で、マイページの制約による見た目の断絶を抑えます。詳細はサービスページをご確認ください。

今のうちにお客様アカウントの移行への心構えと体構えを

世界では着実に新方式の「お客様アカウント」の主流化が進んでいます。Shopifyからは将来的に従来のお客様アカウントの廃止も明言されています。その時がいつきてもEコマース運営・事業を止めないための準備が必要です。またいち早く新方式に移行することで、貴店のお客様に世界の新潮流となっている顧客体験をいち早く提供することができます。

Shopifyのお客様アカウントの移行を具体的に検討するタイミングがやってきています。当社でも、お客様アカウントの移行に向けてのサービスやサポート体制を整えておりますので、いつでもお気軽に「お問い合わせ」ください。

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執筆者紹介

舟久保 竜

総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。

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