Shopify「お客様アカウント」の顧客情報取得の課題と解決策 ── 日本のECに必要な情報を無理なく得るための方法

Shopifyの『お客様アカウント』はメールアドレスと6桁のワンタイムコードのみでログインでき、従来の『登録フォーム→同意→アカウント発行』を前提にしない設計です。顧客のコマース体験は軽くなる一方、同意と顧客属性の収集ポイントが散らばりやすいのが実務上の悩みどころです。本稿では、日本のECで一般的な流れに沿って何をどこで集めるかを再整理し、内製できる最小限の対策とAccount Hubを使った近道の二本立てで解決策を提示します。
日本のECで一般的な購入ステップと『フォームの役割』
商品閲覧
カート投入
会員登録/ログイン
配送方法・支払い入力
注文確定
マイページ活用
上記のような一般的なECの購入・会員登録のステップの中で、会員登録フォームは『購入・配送に必要な情報(氏名・住所・連絡先)』『同意(利用規約・プライバシーポリシー・マーケティングメールの受信)』『任意属性(生年月日・興味)』を1か所で集約して取得できました。Shopifyの「お客様アカウント」ではこの一点集約が崩れるため、顧客体験を損なわず必要な情報を収集するための設計が鍵になります。

Shopify「お客様アカウント」で押さえておくべき情報取得の課題
利用規約同意の確実な取得
利用規約の同意取得をログインの前提にしづらく、必ず取るための導線設計が必要。ショップ固有の追加属性情報の取得
誕生日や性別・年齢などショップ固有に必要とする追加属性情報をどの場面で取得するかの設計が必要。メール配信等の同意取得
メールやSMS・LINEの取得・配信の許諾・管理が必要。マイページデザインの一貫性
お客様アカウントのマイページはストアのテーマと別領域にあるため、見た目の差による離脱への配慮が必要。
Shopify「お客様アカウント」では、このような課題を理解した上で、マイページを設計・構築する必要があります。以下より、課題に対して3つの解決方法を提示いたします。
Shopify『お客様アカウント』で押さえておくべき情報取得の対応方法
利用規約同意の確実な取得
課題:利用規約の同意取得をログインの前提にしづらく、必ず取るための導線設計が必要。
標準機能でできること
新しい『お客様アカウント』はメールに送られる6桁ワンタイムコードで即時ログインする設計で、従来のような登録フォームにおける利用規約への同意はできません。
チェックアウトでは、マーケティング用途の同意(メール/SMS)を標準項目として取得することができます。
標準機能の限界・注意点
ログイン前に規約同意を必須化する標準のインターフェースはありません。チェックアウトも規約同意の必須チェックをデフォルトで強制する仕様ではないため、同意の取り漏れがあった場合に別途対応する設計が必要になります。
Shopifyアプリを使った対応方法
Shopifyの「Checkout UI Extensions」を活用することによりチェックアウト各ステップで同意チェックを追加できます。
ログイン完了後に同意を確実に回収したい場合は、専用のShopifyアプリを活用し、プロフィール面に同意のためのブロックを配置、顧客メタフィールドへ保存します。
ショップ固有の追加属性情報の取得
課題:誕生日や性別・年齢などショップ固有に必要とする追加属性情報を、どの場面で取得するかの設計が必要。
標準機能でできること
顧客の基本情報は標準で保持できます。追加の顧客属性は管理画面のメタフィールドで定義することで保持することができます。
標準機能の限界・注意点
『お客様アカウント』には、登録フォームに項目を追加するインターフェースがありません。追加属性をどこで入力してもらうかは別途の設計が必要です。
Shopifyアプリを使った対応方法
「Customer account UI extensions」を活用し、プロフィールに属性情報の入力ブロックを追加し、顧客メタフィールドに書き込みます。
メール配信等の同意取得(メール/SMS/LINE)
課題:メールやSMS・LINEの取得・配信の許諾・管理が必要。
標準機能でできること
チェックアウトでメールのマーケティング同意を取得でき、SMSの同意も設定で有効化できます。取得した同意は購読者の管理に反映されます。
標準機能の限界・注意点
複雑な条件分岐や追加検証は標準機能では限られます。高度な運用は「Checkout UI Extensions」に対応したアプリと組み合わせて実現する必要があります。
Shopifyアプリを使った対応方法
「Customer account UI extensions」に対応したアプリと組み合わせて同意の取得や状態の表示をすることが可能です。
マイページデザインの一貫性(テーマとの見た目差による離脱)
課題:お客様アカウントのマイページはストアのテーマと別領域にあるため、見た目の差による離脱への配慮が必要。
標準機能でできること
全プランで Checkout and accounts editor からロゴ・色・フォントなど基本のブランディングを調整でき、一部はお客様アカウントにも適用されます。
Plus では Checkout Branding API/ブランディングエディタにより、より広い範囲のスタイル調整が可能です。なおロゴ位置など一部設定はお客様アカウントに反映されません。
お客様アカウント専用サブドメイン(例:account.example.com)を管理画面から設定し、入口からマイページまでのURL体験を統一できます。
標準機能の限界・注意点
テーマと完全に同一のデザイン・レイアウトを再現することはできません。
Shopifyアプリを使った対応方法
「Customer account UI extensions」と対応したアプリを活用し、必要なブロックを追加することで、顧客体験を損なわないマイページの構築に活かすことができます。
App Unity Account Hub(マイページ構築サービス)を活用した解決方法
Hydrogen + Oxygen をベースに構築されたリッチなマイページを提供する「App Unity Account Hub」を活用することで、顧客情報取得に関する課題を解消します。
会員登録フォーム & 利用規約同意を標準実装
初回ログイン導線にフォーム/利用規約同意取得を組み込み、日本のECで一般的な「登録時の属性・同意の回収」を安全に実現します。 誕生日や性別・年齢などショップ固有に必要とする追加属性情報の取得も柔軟に対応が可能です。
テーマとのブランド統一感を損ねにくい構成
ストア全体のデザインコンセプトを踏まえた画面構成が実現でき、マイページのデザインに一貫性を持たせることができます。規約の同意や情報取得時にマイページの見た目の違いによる離脱を抑えます。詳細はサービスページをご確認ください。

安心かつよりよいサービスを提供するために必要な手続きを実現します
Shopifyの『お客様アカウント』はメールアドレスと6桁のワンタイムコードのみでログインでき、お客様がより軽快にコマース体験ができるようになりました。一方で、安心かつよりよいサービスを提供するために必要な規約の同意や追加属性情報の取得のために、ショップごとに設計が必要になりました。
App Unity Account Hubは、そうした制約を補うために設計されたサービスです。日本のEC事業者が求めるUIデザインや機能をあらかじめ組み込み、“リッチなマイページ”を短期間・低コストで導入できます。Shopifyの標準機能や既存アプリでは対応しきれないカスタマイズを検討している方は、ぜひ一度ご覧ください。サービスサイトでは、実際の操作イメージを確認できるデモサイトも公開しています。
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執筆者紹介

舟久保 竜
総合マーケティング会社で23年間、NBメーカーの商品開発・販促企画のアイディア創出のための調査から、クチコミマーケティングの企画・施策実行までの支援を行う。新しいモノが買われなくなるレコノミーの時代の到来を実感し、フィードフォースに加入。統合IDとCDPを活用した人間中心のマーケティングのためのSDL構築と、生活者と企業の新しい生態系「IDecosystem」の実現を目指す。





